馬喰町の焼肉店でおいしいのはこだわりがあるから
馬喰町の焼肉店で使われているのは国内産の牛肉に限定している店が多く、産地もこだわっているところが大半と聞きます。国内産の牛肉といっても、産地によって種類はさまざまであり、私たち消費者であっても好みが分かれます。例えば、牛肉の品評会で1位を獲得した牛肉を全員が一番おいしい牛肉と思うのかといえば、そのようなことはありません。「一番好きな牛肉は○○産」とこだわっている方もいますし、「この間馬喰町の焼肉店で食べた○○産の牛肉、これまでにないおいしさだった」と答える方もいます。いずれにしてもおいしさを決めるのは消費者一人ひとりであり、それぞれ味覚も違うため好みが分かれてしまうのも当然のことなのです。
また、食事のおいしさというのは、誰とどこでどのように食事をしたかによっても左右されるでしょう。肉については、焼き方やタレとの相性もあります。馬喰町の焼肉店ではこのような点にもこだわりをもっており、居心地のよい空間でおいしい食事をしてもらえるように努めています。例えば、隣との座席の間隔を広めに設定するとか、どのようなお客様にも対応できるように、テーブル席だけではなく、カウンター席や個室を設けてみるとかといった具合にです。
食事をするときに店探しをしますが、個室限定で探したいときもあります。大切な話をするときや、まわりの目が気になる場合などです。個室であれば集中して話ができるため、例え確実にこの店はおいしい食事ができると思っても、個室がないことで選択肢から外れる場合があります。同様に、一人で食事をする場合は入りやすい店かどうか、一人でも食事ができるかなどが気になるものです。この場合も、その店の食事がおいしくても一人でいきづらい店であれば選択肢から外れるのです。このように例えおいしく食事ができる店であったとしても、選択肢から外れてしまえば店としてはお客様を失っていることにもなります。
馬喰町の焼肉店では、このような点に気を配っている店が多いので、わざわざ電車に乗って来店するお客様もいます。遠方からのお客様に対応するには、最寄りの駅から徒歩10分以内に店があることが大事です。というのは、大半の方が10分以上駅から歩くと「遠い」と感じてしまうからです。10分歩くというのは、歩き方の速さにもよりますが直線距離で800メートルほどの距離。駅から800メートルまでの場所に店を構えることが望ましいといえます。東京の場合は車でも移動しますが、多くの方は電車を足にしているため、最寄り駅がどこなのか、近いのかは重要なポイントとなります。
また、夜になればどうしてもお酒を飲むことが多くなるので、焼肉を食べながらお酒を楽しみ、ついつい飲みすぎてしまうことにもなりかねません。飲みすぎてしまった場合、気が付いたら終電しかないと慌てることもあるため、やはり駅から近いかどうかは重要なポイントとなります。
このような点を気にして営業しなければならないのは、馬喰町の焼肉店は全体的にレベルの高い店が多いからです。おいしいのは当たり前、こだわっているのは当たり前となっています。仕入れは直接農場から買い付けをしたり、希少部位を入荷できるようにしていたりと見えないところで相当の努力をしているのでしょう。また、馬喰町は東京駅から近い場所にあるため、どうしても脇役的なスポットになりやすい点もあります。特に観光客は東京駅周辺で店を探すことが多いので、電車ですぐの馬喰町周辺のスポットは、この街を知り尽くした方ばかりとなってしまいます。近くに会社のあるサラリーマンや接待をする企業の方、周辺にお住まいのご家族などです。とはいえ、おいしいものは気が付けば知れ渡ってしまうものなので、最近では客層が広がっています。